Befana ベファーナ

1月6日はキリストの「公現」を祝う日(エピファニア、Epifanìa)です。日本に較べるとイタリアは「政教不分離」の国で、キリスト教関連の休日がいくつもあります。エピファニアもその一つです。

Befana ベファーナ

イタリアには、1月5日から6日になる夜、ベファーナと呼ばれる老女が現れるという民間伝承があります(ベファーナはエピファニアから派生した言葉で、エピファニアそのものも意味します)。長いわし鼻、出っ張ったアゴ、ボロ着にボロ布を羽織る服装、箒にまたがってやってくるというベファーナの姿は、一般的に信じられている魔女のイメージそのものです。

labefana 出典:http://noipadova.it

ベファーナは、子供たちに分けてあげるたくさんのお菓子を背負っています。子供たちはベファーナからお菓子をもらうのを期待して、暖炉や窓の近くに靴下をつるします。ベファーナは行いのよい子供にはお菓子を、行いのよくない子には炭を詰めます。

この空想上の人物ベファーナには、もともとキリスト教との接点がありませんでした。しかし、後世、以下のような伝承が現れました。

降誕した救世主(イエス・キリスト)を訪ねるための旅をしていた東方の三博士が、ある村で泊まった宿の老婆に降誕の地ベツレヘムへの道を尋ねた。三博士は彼女にベツレヘムまで同行することを提案するが、彼女は仕事があるといって断る。その後、彼女は気が変わり、三博士の後を追い、子供のいる家の戸を叩いて探したものの見つからなかった。それから、その老婆(つまりベファーナ)は、毎年1月5日と6日の間の夜に、贈り物のお菓子を用意して子供のいる家を訪ね、神の子を探し回るようになった。

この説話がいつどのように作られたのか、よくわかりません。

参考:http://www.treccani.it/, http://www.carabefana.it, http://www.quantomanca.com

I Re Magi 東方の三博士

老女ベファーナがまったくの民間伝承であるのに対し、イエスのもとを訪れた「東方の三博士」は、聖書に根拠があります。ただし、聖書(マタイによる福音書2,1-12)には、博士の数や名前などの記載はありません(贈り物の金と乳香と没薬は聖書に記されています)。

三博士(三賢者とも)は、降誕から13日後にベツレヘムでイエスにまみえ、持参した贈り物を捧げました。

re_magi出典:http://guide.supereva.it

イタリアでは三人は以下の名前で呼ばれています。

名前 贈り物 特徴 Nome Dono
ガスパレ 乳香 若く美男 Gaspare incenso
バルダッサッレ 没薬 黒い肌 Baldassarre mirra
メルキオッレ 老人 Melchiorre oro

参考:http://it.arautos.org, http://www.cozoh.org

 
さらに知るには:
I Re Magi sono realmente esistiti? http://www.focus.it
Tournier Michel, Gaspare, Melchiorre e Baldassarre, Garzanti

Nobuhisa Kajiyama

イタリアニスタ。イタリア語翻訳の日伊サービス代表責任者。インテリスタ、カープ男子、オペラファン、写真好き、天文学初心者。

Befana ベファーナ” への1件のフィードバック

  1. 梶山さん、
    イタリア人の私でも、ベファーナの意味と歴史についていろいろ知らなかったので、とても勉強になりました。
    しかし、気になるところがあるました。「イタリアは日本と比べると政教分離でない」というところです。
    私が長い間日本に暮らしたので、イタリアの政治と宗教の関係はよく日本で誤解されることに、何回か気づいたことがあります。
    もちろん梶山さんは何の誤解もされていないと思いますが、特別な話題なので、もう少しこれに関してご意見を説明して頂ければと思います。
    尚、私がイタリア人だからといって、日本の法律と自分の国の法律でさえ詳しくないものなので、梶山さんの「イタリアが政教分離でない」という意見は私が思っている以上に正しいのがわかっています。
    ですから、もし梶山さんは「イタリアは政教分離でない」と信じていらっしゃるのであれば、その意見の根拠を教えて頂きたいです。
    私は日本でイタリア語を教えているものなので、私の生徒達が受けているイタリアの印象を耳んにすることがよくあり、その中で特に誤解されやすいイタリアの要素としてはちょうどその
    「政教分離」があげられると思います。
    私の経験から言うと、日本では、イタリアでの政教分離は「日本と比べれば」少ない、といういり、イタリアでは政教分離というのは「全くない」と思っている方は以外にたくさんいると思います。
    つまりキリスト教の決まりは国の法律と同じものだと思っている方が多いです。
    そのため、イタリアでは離婚できない、中絶してはいけないというような考えは日本で比較的に多いです。
    そのもとに、日本のテレビで紹介されているイタリアのイメージの影響も強いと思います。
    近代化している日本は、昔ながらの生活習慣が残っているイタリアに面白味を感じているため、イタリアの「遅れている」ところがテレビ番組のネタにされるのではないかと思います。
    そのためにイタリアの情報が大げさに伝えられることもよくあると思います。
    日本に暮らしているイタリア人として、イタリアの事情が正しく伝えられていることは私の一つの心配です。
    一応、イタリアでも、日本と同じく、政治と宗教の分離は憲法に定められています。
    尚、祝日は宗教の暦の影響されていることは、どこの国でも当然ではないかと思います。たとえ「無宗教」とよく言われている日本でも、お正月の休日は神道と仏教と関係あるのではないかと思います。
    このことについてのご意見を聞かせてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です