2019年のイタリアの国民の祝日(giorni festivi)は次の通り(1)。
1月1日 元日 Capodanno
1月6日 主顕節 Epifania
4月22日 パスクアの月曜日 Lunedì di Pasqua
4月25日 解放記念日 Liberazione
5月1日 メーデー Festa del Lavoratori
6月2日 共和国記念日 Festa della Repubblica
8月15日 聖母被昇天 Ferragosto
11月1日 諸聖人の日 Ognissanti
12月8日 聖母無原罪御やどり Immacolata Concezione
12月25日 クリスマス Natale
12月26日 聖ステファヌス Santo Stefano
上記11日の祝日のうちキリスト教由来のものは7日ある。さらに各市の守護聖人の日はその市だけ祝日になる。これもキリスト教由来の祝日だ。
このほかに日曜日も祝日とされる。そのためか、必ず日曜日に行われるパスクアは政府の国民の祝日リストに含まれていない。
日本的な感覚では日曜日は「休日」であっても「祝日」ではない。実際、日本の日曜日は「行政機関の休日に関する法律」で定める「休日」に過ぎない。
イタリアの日曜日は仕事をやめて教会のミサに参加するための「祝日」であるのにたいし、日本の日曜日は体を休めたり、余暇を楽しむ「休日」。このギャップは意外に大きい。
日本の「国民の祝日に関する法律」第2条で祝日とされた日は16日あり、イタリアより多い。しかも、「国民の祝日」が日曜に当たると次の日が代休になる。イタリアにその制度はない。例えば2019年は6月2日が日曜日だが3日は代休にならない。ましてや日本のハッピー・マンデー制度はあり得ない。イタリアの祝日は変更不可能なものばかりだからだ。
日本には宗教的な祝日は建前上ないことになっている。しかし、厳密に考えると、例えば「建国記念の日」は日本神話に基づいているので神道由来とも言える。また、春分の日や秋分の日は仏教のお彼岸にあたる。実際、同法第2条の「秋分の日」の箇所にはわざわざ「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」日と書いてある。
それぞれに文化なり伝統なりがあるということだろう。
(1) http://presidenza.governo.it, https://www.giorni-festivi.it/