「世界文学全集」どれを選ぶ? イタリア語作品は?

 

イタリア語作品の収録状況

上記①から⑭までの全集に収録されているイタリア語の文学作品は以下の通りです。

1. ダンテ

「神曲」翻訳: 野上素一 ②
「神曲」翻訳: 平川祐弘 ⑧⑨⑩⑬
「神曲」翻訳: 壽岳文章 ④⑥⑦
「神曲(地獄)」翻訳: 三浦逸雄 ⑭
「新生」翻訳: 野上素一 ②

2. ペトラルカ

「カンツォニエーレ抄」翻訳: 河島英昭 ⑬

3. ボッカッチョ

「デカメロン」翻訳:佐藤正彰 ①
「デカメロン」翻訳:柏熊達生 ⑧
「デカメロン」翻訳: 河島英昭 ⑬

4. ミケランジェロ

「詩集(抄)」 翻訳: 高田博厚 ⑬

5. アルベルト・モラヴィア

「若い蜜月旅行」 翻訳: 河島英昭 ①
「無関心な人びと」 翻訳: 米川良夫 ⑪
「無関心な人びと」 翻訳: 河島英昭 ⑭
「病んだ冬」 翻訳: 米川良夫 ⑭
「冬の憂鬱」 翻訳: 米川良夫 ⑭
「不幸な恋人」 翻訳: 米川良夫 ⑭
「ドン・ジョヴァンニの一夜」 翻訳: 米川良夫 ⑭
「わたしとあいつ」翻訳: 大久保昭男 ⑬
「侮蔑」 翻訳: 池田廉 ⑦

6.チェーザレ・パヴェーゼ

「秘めた話」 翻訳: 植田覚 ①
「浜辺」 翻訳: 河島英昭 ②
「流刑地」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「三人の娘」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「自殺」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「丘の上の別荘」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「麦畑」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「川の対話」 翻訳: 河島英昭 ⑦
「ヌーディズム」 翻訳: 河島英昭 ⑦

7. ルイージ・ピランデッリ

「作者を探す六人の登場人物」翻訳: 岩崎純孝 ②
「故マッティーア・パスカル」翻訳: 米川良夫 ⑭
「ある「登場人物」の悲劇」翻訳: 米川良夫 ⑭

8. イータロ・スヴェーヴォ

「わが老衰」 翻訳: 河島英昭 ①

 

「世界文学全集」の中でのイタリア文学の扱いは正直高くはないです。イタリア国民文学の最高傑作といわれるマンゾーニ『いいなずけ』はどこにも収録されていません。オペラや映画などに比べて日本でのイタリア文学の人気の低さはちょっとまずいですね。

 

一時は大手出版各社が競争するように出版していた「世界文学全集」。上下2段にして小さな活字を使うことで長編小説もコンパクトな形で手にできるメリットがありましたが、今ではこの体裁の本はすっかり姿を消し、大きな活字の文庫本シリーズにとってかわられました。

その結果、今では信じられないような価格で古本の全集セットを手に入れることができるようになりました。この状況がいつまで続くかわかりません。ハズキルーペという強い味方も得たこのタイミングがチャンスかも知れません。

(了)

 

参考ページ: 
ameqlist 翻訳作品集成  (かなり参考にさせていただきました)

 

Nobuhisa Kajiyama

イタリアニスタ。イタリア語翻訳の日伊サービス代表責任者。インテリスタ、カープ男子、オペラファン、写真好き、天文学初心者。

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